2007年01月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

2004年09月09日

ハトとの和解

私は子供の頃からハトとの相性が悪かった。
あれは忘れもしない小学1年の頃、大好きだったエレクトーンの先生から誕生日プレゼントにもらったピンクの手編みのセーターを着て、ルンルンしながら妙法寺(杉並区)の縁日に出かけたら、ハトにフンを落とされて、ものすごく落ち込んだ。

洗っても取れず、フンのあとをつけたまま着るほどの図々しさもなく、1回しか着なかったそのセーターは母親の手で無惨にほどかれ、その後何年も私の心を痛めた。
その後少なくとも3回は洋服、または頭にフンを落とされた上に、高校1年の時には決定的にトラウマになる事件が起きたのだ。
修学旅行でいった広島平和記念公園でクラスメート全員が集合するのを待っていると、一緒にいた友達がハトと遊びだした。そのうち怖くなった私は友達と離れて1人で立っていると、気づいたら周りがハトだらけで肩に止まられるわ、持っている袋は蹴落とされるは、さんざんな目にあった。11_1X.jpg
怖くて足がすくんで声も出なかった体験など後にも先にもそれ以外にない。
その数ヶ月後に始めての海外旅行でシンガポールに行くと、食卓にはハトが・・・・・・・・・・。
しかも頭つき。
そんなこんなでハトが大嫌いだったのだ。

つい最近にもこんなことがあった。
家のマンションの公共の階段に2羽のハトが紛れ込んでいた。
他の鳥ならそんなことになるはずはないとハトのバカさ加減を心の中でののしりながら、自分の家にたどり着くべく階段を上るのだが、私が近づくと、上へ、上へと上がっていこうとする。我が家が最上階なので、ついには家の目の前で奴らが私の頭上を飛んで下に降りていくという最悪の事態を歯を食いしばって我慢しながら何とか家にたどり着いた。
足は震えていたが、自分でも良くやったと思えるほど、私は勇敢だったと思う。
その数日後だ。
おなじハトだか違うのだかわからないけれど、家のベランダにおり立ったハトが今にも部屋の中に入らんとしているところに遭遇してしまった。家には私1人しかいないし、部屋の中に入られてはお終いだと思った私は勇気を再び振り絞って近づくと、ベランダに押し戻すべくシッシとした。

バカなハトは自分が入ってきた窓にぶち当たり、バタバタと音を立てながらほんの少し譲歩した。
少しならベランダにいさせてやっても良かろうと、私も波だった呼吸と鼓動がおさまるのを待っていた。
力が戻ってきたので、ベランダからも追い出そうと勇気を振り絞ってベランダに出ても、奴はぴくりとも動かない。
その図々しさがまた嫌いなのだが、荒手な事をしてバタバタと羽を鳴らされるのはもっと嫌いなので、躊躇していると、私の心に変化が生じた。

もしかしたらこのハトはイエスキリストかもしれない。
「私が空腹な時に食べさせ、乾いているときに飲ませ、寒いときに衣服を与えてくれた」などという聖書のフレーズを思い出し、全ての人の中に神を見いだすのなら、ハトの中にも神を見いださねばなどと自分に言い聞かせてみた。

それに、もしかしてお腹がすいているのかもしれない。
古いパンを持ってきてすごく近くまでよってみたが、それでもぴくりとも動かない。
ハトのすぐ側に置いてやると私は飛ぶように部屋の中に戻ったのだが、相変わらず動かない。
せっかくやったのに食べないとは生意気な奴だと思いながらも、そうこうしているうちに私の方が目が離せなくなってしまった。

もしかして一晩うちのベランダで過ごさせてやっても良いかもしれないと思い始めた。
そう思っていると、ハトはすやすやと眠りについた。
TVにも集中できず、何度も何度も確認しながら、私も眠りについた。
307007.jpg

朝起きるとハトはもういなかった。
パンにも手をつけていなかった上に、木の実やらなんだか訳の分からない物がパンの上に乗っていた。
もしかしたら戻ってくるのかもしれないとうっすら期待をした私は、その日1日ハトのことを思いながらフンを掃除した上にベランダ全部の掃除をし、寝床にしていた台にまたフンをしても良いように新聞を敷き、パンと木の実をもとのところに戻し、ハトを待った。


結局ハトはやってこなかった。
それでも私の心は軽やかだった。
もうハトを憎んでいないかもしれないからだ。
なんだかとてつもなく大事なことが私の中で起きたのを感じた。

今度はゴキブリとも和解できるだろうか。
日本の夏がゴキブリ天国だという事を、なかば忘れていた私は、今また別の恐怖におののいている。
はたして私はゴキブリの中にも神を見いだせるのだろうか・・・・・・・・。
それにしてもそんな必要があるのだろうか・・・・・。

 

コメント

Asachan さんコメントありがとうございます。
今は日本に滞在して1週間たちましたが、ゴキブリには対面していません。できればこのままやり過ごしたいと思っているところですが、蚊はもうすでに大量に殺しました。

この件に関してどうすれば良いのかなどという答えを提示する気はさらさらありませんが、私は、「こんどは別の物に生まれかわってこいよ」という気持ちで殺しています。

また、大量に増えすぎると自然淘汰されて減らなければならないので、私も少し貢献したなとか。

少し罪悪感が減れば、それでいいかなと。今の所は。

Posted by: Lovechan at 2004年09月21日 12:19

イギリスからのメッセージ、いつも楽しみにしています。

ゴキブリの中に神を見いだせるか?
いや〜、難しいですね。
あまり言いたくないのですが、私、何度も殺生したことが、、、。
それだけにこの一文が、とっても重い!(笑。笑いごとじゃないかもしれないなぁ。)

夏の間は蚊もいっぱい殺生してしまいます、、、。
スヤスヤ気持ちよく寝ている時に、耳元にプ〜ンと血を吸いにやってくる蚊。
彼らの中に神を見いだすのも、いやはや難しい。
せめて、殺生しないで済むようにしたいものですが、
私にとって安眠はと〜っても大切な事で、
ついつい、「このやろう!」という気分で戦ってしまいます。

Posted by: asachan at 2004年09月12日 08:25
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?