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2004年11月20日

ビッグ・フィッシュ

お勧めスピリチュアル映画。

『ビッグ・フィッシュ』ご覧になりましたか?
 あまり期待せずに家族でDVDを見たのですが、これが仰天、良くできているのです。我が家は夫婦共々脚本業なのですが、非常に良く練れた脚本で、脱帽したのでした。

B0001GY9Q4.09.MZZZZZZZ.jpgビッグ・フィッシュ  コレクターズ・エディション
監督: ティム・バートン
出演:ユアン・マクレガー

4309203353.09.MZZZZZZZ.jpgビッグ・フィッシュー父と息子のものがたり
出版社: 河出書房新社
ダニエル ウォレス (著)
小梨直(翻訳)


「臨終の数日間の父と息子の魂の交流」一口で言えばこうなるのですが、そこは原作、脚本、監督、音楽の才能のコラボレーションで、見事なスピリチュアルファンタジーになっています。
 登場する父と息子は、人柄と魅惑的な話を物語ることの才に恵まれ人々に愛される父。事実を追うジャーナリストの世界に住む息子。
 息子は父の語る物語とその中の父ではなく、父が体験した本当の事と本当の父の姿に触れたいと切実に思っています。最終的には、二人に魂の交流が訪れるのですが、さてそれを120分という時間の中で映画としてどう見せていくか。父が話す数々の魅惑的な物語も違和感なく処理していかなければならないし、……脚本家は苦労しながらもとても楽しかったのではないかと思います。
 構成的に、まず臨終の数日間に現実的な時間を区切ったこと、父の物語部分を息子の回想だけではなく、父が息子の嫁に語りかけることで処理したこと、この二つの大枠の中で綺羅星のようなエピソードが展開され、「父の死に方の秘密」という謎が掛けられて行きます。
 息子の嫁を妊婦として「お腹のべビィは男の子」としていることで、父と息子の物語が息子とその息子の物語として運命の輪のようにつながり、臨終場面の感動的な魂の交流(見てのお楽しみ)の後、それで終わってしまわないで葬式シーンで物語と現実の輪が重なり合う、これも余韻を定着させる見事な構成です。
 しかし、葬式シーンになると見ている側はすでに、父の話が事実なのか物語りなのか、そんなことはどうでもよくなっているはず。
 父と息子の愛だけではなく、夫婦愛。人生の楽しみ方。人生の終わらせ方。外的現実と内的真実。自分らしく生きること。人のそのままを受け入れること。心を開いて冒険の旅に出る。物語の力。死と誕生。ライフサイクルなど感じ取れるスピリチュアルなテーマがたくさんあります。
 映画の感動は、脚本上の試練錯誤で計算されて作り出されるものなのですが、スピリチュアルな傑作というものは、作り手に天使が宿るというか、悲惨な事件が繰り返される今という世界の中で、こんな映画がハリウッドから世に出ること自体、天使の技のような気がしたのでした。
 監督がティム・バートンなので映像もスピリチュアルに申し分なしです。

By Kana

 

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