シャーリーのコンサートのプログラムに沿ってお伝えしようかとも思ったのですが、私自身が印象的なことから、まずお伝えするようにしました。そのほうが、感動も伝わるかな、と思ったのです。
歌ももちろんですが、やはり、シャーリーの真骨頂は幼い頃から鍛えたダンスの力だと思います。大人になりそのインテリジェンスが創りあげる役柄の冴え渡る演技力も素晴らしいものですが、ダンスはシャーリーの人生を築いた基盤とも言えるものだと思います。
その中でとても印象的なシーンは、ダンスナンバーでもなく曲と曲のあいだの時間に訪れました。
バンドの手前にタオルを掛けたりもしてたバレエのバーレッスンに使うような手すりがありました。もちろん、このシーンのために用意されたと思います。わたしもバーや手すりがあると、よく片足を掛けてストレッチをしたものです。
シャーリーもやはりダンサーのお約束、ストレッチを始めました。そして、ダンスでジャンプをする前に形としてはすこし膝を曲げる動作・プリエと言う名称の動きがあります。バーの位置の関係上、後姿でそのプリエをひたすら始めたのです。
そうして、その後姿のまま言った言葉が、「今度生まれてくるときはプリエしたまま生まれてくるわ」
そのせりふを、また、シャーリーはユーモアたっぷりに言い、みんなを笑わせます。生来のコメディエンヌなのです。そのセンスが芝居にも生かされています。
シャーリーの脚はほんとうに真っ直ぐで綺麗です。脚も長い!!!映画でジーン・ケリーとタップダンスをしたシーンは、身体の半分の長さが脚だとはっきりわかる超ミニの可愛い衣装でした。
紘矢さん、亜希子さんが訳された「カミーノ」を読んだ時、わたしは「あ~、あの足の裏を豆だらけにしてカミーノを歩いたんだな、、、」と、静かに静かに感動したものでした。
そして、ほんとうにそうなのだ、ということなのです。ほんとうにプリエだけではないけれど、いっぱいの動きを練習した中で、そのいっぱい種類のある動きを繋ぐのは「プリエ」なのです。何気ない動きです。そのものが語る、と言うよりは次に来る動きがなめらかになるようにしてくれる「プリエ」なのです。ジャンプもプリエがよくできれば自然に高く飛べるのです。男性のバレエダンサーのジャンプの動きなどは、グランプリエ(深くプリエすること)で更に跳躍が高くなります。
この舞台でも、シャーリーのダンスの流れはとてもエレガントでした。それは、はっきりとは見えないような小さなプリエにも生かされていたのだと思います。
シャーリーがプロとして育ったブロードウェイではダンサーを「ジプシー」と言います。仕事でアメリカ国内や海外ツアーまであちこち飛び回るので、彼ら彼女らは自分たちを「ジプシー」と表現したのです。そして、みんなそれに誇りを持っています。ジプシーの心☆ダンサー魂、と言うのかな、、、。
そして、「自分は今もジプシー」だと胸を張って言うシャーリーに、そして、そのせっせとプリエするシャーリーの後姿に感じ入ったわたしでした。
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